人を選ぶ香りが元禄 渋さが極まるその先へ

今回紹介する「元禄」という松栄堂さんのお香は誰にでもおすすめできるものではありません。
記事のはじめから、風変わりな紹介の仕方をしてしまっているので、ここで読むのをやめてしまうかも知れませんね。
怖いもの見たさで少しの間お付き合いくださればと思います。
この「元禄」というお香は正直に言って、人を選びます。
香りの好みに合わない人には全く合わず、煙たさしか感じないかも知れません。
実際のところ、私にとっても苦手な香りです。
甘さとか、爽やかさ、そういうものとは無縁の香りです。
公式サイトでの情報では原料として白檀を使用しているとなっています。白檀の枯木を使ったものではないでしょうか。
「元禄」はとても渋い香りがします。
舌で感じる味の渋さとはまた違います。あくまで雰囲気としての渋さという表現と捉えてください。そして、かなりしつこい渋い香りでもあります。
このお香「元禄」についた火が消え、別の部屋に移動したにもかかわらず、鼻に残る香りのしつこさに、思わず笑みがこぼれてしまいます。。どういう意味か、詳しく説明していきます。
大人になれば分かる?香り

年齢を重ねるとやっとわかる味わいがあるということは、別の記事でも触れてきました。
この「元禄」の香りは、私のような若輩者には到底理解できないものかもしれません。もっともっと歳を重ねた後にならないと分からない香りかも。
香りが濃いというのももちろんですが、渋味、苦味、しつこさと、そんな三つの特徴が揃う、人を容易には寄せ付けない香りを放つのです。(少しオーバーに言い過ぎなところは否めませんが。。)
ここまで引っ張ると逆に、一体どんな香り??って気になったあなたには申し訳ないですね。
たぶん、ほとんどの人には好きにはなれない香りですから。
元禄は和の陰の部分を味わう

たいそう歴史あるふすまのある薄暗い和室。
ふすまの色合いは地味で、床には古い畳、湿気を帯びたような空気が淀んだ部屋。
そんな地味で、とても渋い和の空間。そこでどうやって侘び寂びなどを見いだすのか。
そういう空間に漂う濃い香りを思い浮かべてください。
苦みしかないお茶を味わうような、そんな感覚があるお香が「元禄」です。
違いがわかるというよりも、苦味から得られる、人を選ぶ香りを知ってみたい、感じてみたい、そういう経験も長い人生には良かったと思えるときが来るかもしれません。
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まとめ それでも元禄を試してみたいあなたへ

ここまで「元禄」については前向きな書き方をしてこなかったので、あなたは試してみようとは思わないかもしれません。
もしも、この「元禄」の香りがあなたの好み通りであったのなら機会損失になるかもと思うと、何かいいところを見つけて紹介したいところです。。
とは言え、ないものをあるとはできないものです。
この渋い日本の和をイメージする香りをうまく味わえ、なおかつ言葉で表現できるなら、あなたは間違いなく多くの人たちに比べて、香りに対する感度は高いものをお持ちであると言えます。
なんの印象にも残らない、普段使いの線香とはまた違います。
地味で渋さに振り切れたような、それでいてしっかり残る香り。
- 一体どんな香りなの?そう思う人
- 松栄堂さんの芳輪シリーズ全て経験したい人
そんなあなたなら、「元禄」は避けては通れないお香かもしれません。
最後に、「元禄」は実は始まりでもあります。含みを持たせているのは、さらにこの渋さの先にある世界があるのです。
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