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パールハーバーをレビュー 真珠湾で取り戻すべきもの 前編
ハワイ、オアフ島パールハーバーで目に焼き付けたものがある。日本人だからこそ知るべきものがここにはたくさんある。 前編スタート。
この記事は2019年9月にパールハーバーへ訪れ、その後同年11月に書いたもの。
そして2020年の終わりに差し掛かった12月。一冊の本との出会いで書き直すことにした。
「きみの大逆転」という青山繁晴さんの新書を偶然書店で見つけた。本の中身には触れないのでぜひ購入して読んでいただきたい。
パールハーバーでの体験でずっと違和感を感じていたことがある。それが何なのかはっきりとは説明ができなかった。
この本「きみの大逆転」にはその答えが全て書かれていた。だから今改めてこの記事を書き直すことにした。
ここまで読んで頂いたあなたとともにパールハーバーへ行こう。
楽園であり軍の拠点の島 オアフ島
アメリカの軍事拠点がこんな南の楽園の島ハワイにある。かつての太平洋戦争で日本軍が空から急襲をおこなったところが、パールハーバー。
ハワイオアフ島にある第2次世界大戦の戦跡の一つがパールハーバー。日本による真珠湾攻撃が行なわれた場所。
ワイキキの中心街からは、ホノルル空港を越え、西へ1時間も掛からない場所。オアフ島のちょうど真ん中あたりに位置する。
左赤枠がパールハーバー、右赤枠がホノルルの市街地
パールハーバーヒストリックサイトの施設は大きく4つからなる。
・アビエーション・メモリアル
アリゾナ記念館は海上にあるが、他の3つの施設は下図の赤枠に点在する。各場所へはビジターセンターからシャトルバスで移動する。シャトルバス料金はチケット代に含まれる。
パールハーバー4つの施設見学のチケット代はいくら?
パールハーバーを見学するには個別の施設を見学するチケットと、全て見学するパスポートが販売されている。おすすめはやはりパスポート。
パールハーバー・パスポートで全ての施設を見学できる
パールハーバー・パスポート代金: 大人 $72、 子供(4〜12歳)$35
①戦艦アリゾナメモリアルオーディオツアー
※映画とボートライドは含まれません。
②ボーフィン潜水艦博物館入館料
※現在、ボーフィン潜水艦資料館は工事の為閉鎖されておりますが、ボーフィン潜水艦内は通常通りご見学頂けます。資料館は2020年6月再開の見込みです。
③戦艦ミズーリ記念館入館料(ガイドツアー含む)
④太平洋航空博物館入館料
個別の博物館へのチケット代は下記から確認できる。
ツアーを利用せずにパールハーバーを巡ろう
一般的にパールハーバーへの観光は、ほとんどの人がツアー会社の数時間程度のオプショナルツアーに申し込まれるのではないかと思う。
オプショナルツアーは移動に関しては便利ではあるが、時間の成約があるためじっくりと全てを見て回れない。
数時間程度では時間が足りなさすぎる。どの施設もとてもボリュームの多い、見ごたえのある博物館だから。
今回は個人でパールハーバー観光をする場合の参考として紹介していく。
ワイキキからパールハーバーへは公共交通機関である、The Busで向かった。アリゾナメモリアルで降車。(下写真の左赤丸がバス停)
バスで行く場合は注意が必要だ。パールハーバーからの帰路、ホノルル方面へ戻る際のバスは往路で利用したバス停ではなく、下写真の右赤丸のバス停まで行かなければならない。(カメハメハハイウェイ東行き側)
往路で降りたバス停でいくら待っていても、ホノルル方面には戻れない。
2021年には、現在建設中の鉄道でも来ることができるそうだ。(下写真の右部分が建設中の写真)
アラモアナあたりから電車で行けるなら、ますます来館しやすくなる。
アリゾナ記念館(アリゾナメモリアル)とは
アリゾナ記念館とは、第2次世界大戦の日本軍によるパールハーバーへの攻撃で沈没した戦艦アリゾナを慰霊する施設のこと。
写真の通り施設は海上にある白い建造物だ。
今もなお、海中に沈む戦艦アリゾナの真上にある施設がアリゾナ記念館。ここへはビジターセンター側からボートで渡ることになっている。
未だに船から漏れ出すオイルが海上に流れ出ている。
第2次世界大戦当時アメリカの敵国であった日本。その日本人であっても、自由に訪問することができる。
日本人がほぼいない、珍しい存在でもあるが、白い目一つすら感じることはない。これがアメリカという国なんだ。
ボーフィン・サブマリンミュージアム&パークとは
パールハーバーヒストリックサイト入り口のビジターセンター(Pearl Harbor Historic Sites Visitor Center)のすぐ真横にあるのが潜水艦ボーフィン。
ボーフィン・サブマリンミュージアム&パークという施設のことだ。
永年活躍した潜水艦ボーフィンの内部の様子を見学することができる。
ツアーではなく、個人で見学する日本人の姿は全く見かけない。
写真(上下)は魚雷。
艦内通路は狭いものの、外から見る印象よりもかなり広い。
乗員約60人。最長で50日程度の航海に出ていた。こんな窮屈なベッドでの長期の生活が続くとは、とても大変な任務だ。
この潜水艦ボーフィンは数々の戦績を挙げた。「合計で68,703トンの船を沈めた」とも記されている。
バトルシップ(戦艦)・ミズーリ
アメリカ最大の戦艦がこの戦艦ミズーリ。第2次世界大戦から、朝鮮戦争、湾岸戦争に至るまで長きにわたり任務にあたったアメリカの歴史上大いなる功績をあげた戦艦。
真珠湾に浮かぶフォードアイランドに停泊し、現在は博物館となっているミズーリ。
ビジターセンターからは送迎バスでフォードアイランドへ渡る。下画像の中央の赤枠。
第2次世界大戦で、日本が降伏した際に、このミズーリの甲板上で調印式が行われた。それがちょうどこの下の写真の場所。
これが当時の写真(展示物)。
ここでは、無料で各国向けのガイドのサービスがある。甲板に上がったところに大勢のガイドらしき人たちがお出迎えしてくれて、日本人の方ですね?と無料でガイドをさせて頂きますと感じよく声を掛けてくれる。
ある程度の人数が集まったところでツアー開始。ガイドは甲板のみでの説明となる。
この写真のあたりでガイドから注意事項があって、左側の向こう岸は写真撮影はしないようにとのこと。
理由は、軍の施設が立ち並んでいるためだ。軍の船もたくさん停泊している。
詳しく見たい人は下のマップで公開されているので、そちらからどうぞ。
そして、下写真のようにミズーリの主砲がとんでもなくでかいのだ。
表に露出している部分以外にも下図の通り、5階建てのビルとなっているのだそうだ。まさに氷山の一角。
無料サービスのガイドは甲板のみで終わり。後は艦内を自由に見学できる。
さらにこの戦艦内部がとんでもなく広い。見学できるのは一部であるにもかかわらず、どんだけ広いんだって感想。
第2次世界大戦時は約2500人、湾岸戦争時は約1500人がこの船に乗船していたそうだ。
乗員がどの様な船の環境で生活していたかを見学していくことができる。
食堂もこの写真だけでなく幾つもある。1,000人とか2,000人とかに食事を提供するのだから、まあ当然ではある。
売店で飲食物を買うこともできる。(今は営業していない)
「MIGHTY MO SNACK SHOP」と壁に張り紙があるが、この戦艦ミズーリの愛称は「MIGHTY MO(マイティ モー)」と呼ばれていたそうだ。
上級士官の寝室。
結構、歴史を感じる事務室。
とにかく艦内は広く、同じような景色が延々と続く。このフロアだけで、ざっと見学しても、ゆうに1時間はかかる。
長い長い通路があちこちに張り巡らされていて迷路状になっている。見学できるエリアは飲食、居住、事務所のフロアといったところか。
ようやく甲板より上側へ向かう
さらに上のデッキへは、階段で登っていく。
なお、事前に予約が必要のようだが、機関室やら工作室やら、射撃指令所、発電所が見学できるそうだ。
下記は引用:
探検家ツアー
探険家ツアーは、当ツアー参加者以外には一般公開されていない、艦内の特別な場所へとご案内するツアーです。特別なガイドがブロードウェー、射撃管制室、ボイラー室、機関室、第一砲塔内部、戦闘指揮所などへとご案内致します。その他にご案内する場所には大食堂、拘置所、1992年に退役したまま残された乗組員の居住区や、海上で部品製造、修理など必要な際に利用された工作室などが含まれます。このツアーのハイライトでは、ミズーリ集中防御区画内の艦首の第1砲塔と艦尾の第3砲塔を結ぶ”ブロードウェー”へと向かい、戦艦の巨大な16インチ砲と5インチ砲を操作した射撃管制室と、1940年代から使われていたアナログコンピューターをご覧になることができます。その後お客様には甲板に戻っていただき、神風特攻隊や第二次世界大戦終結にまつわるエピソードをご紹介致します。
所要時間:90分なお、戦艦内の急な階段を上り下りしますので、10歳未満のお子さまはご参加いただけません。ツアー定員は2名様から10名様までとなっております。ご了承ください。
探検家ツアーは予約制です。48時間前までに、お電話又はご予約フォームにてお問い合わせください。
ここまでの展示を見学してくると、戦争というもの、軍というものの存在、歴史の重さなどが一挙に押し寄せてくる感覚で圧倒される。
これまで何十年と生きてきていても、その片鱗にさえ触れることのないものを嫌というほど一度に受け入れるには戸惑わずにはいれない。
この感覚を得るだけでも、ここパールハーバーに来た価値はあると言える。一度では消化しきれないほどの展示の量、もう一度来ないといけない。そんな風に感じさえもする。
あまりにも知らないことが多すぎた。日本人として。
展示や写真とともに文字が添えられているが、ほとんどを素通りして来てしまった。
本当に知るべきことがそこには刻まれている。一つ一つの写真にも語りかけてくるものが存在している。
青山さんの「きみの大逆転」を読んで振り返るべき場所が見つかった。
ここからさらに後編に続きます。