カーバーをカスタマイズ オランガタン ブッシュ交換でCXが生まれ変わる
今回の記事はサーフスケートの中ではスタンダードなカーバーをちょっとだけカスタム仕様に変更を加えたものでレビューしてみよう。
ローデッド カーバー ボルサを参考にしながら、それをさらに超えるカーバーを目指す記事だ。
今回最も驚いたのは、
オランガタンのブッシュ(ブッシング)に交換すると
CXトラックが大変身する。
結論から言うと、これはかなりおすすめなカスタマイズ。平地ではかなり乗りやすいカーバーCXに大変身した。
今回使用するカーバーFISHBEARDはアルメリックコラボのサーフスケート。
ノーマルパーツでのフィーリングの方は、トラックはCXタイプなのでC7と比べて動き易くはない。
特にCXトラックはスケボーパークなどのあらかじめ傾斜のある場所、整地された路面などではトラックの硬さが優位なのだが、特に初めての人には普通の平地はなかなか手こずるサーフスケートだ。
個人的なことだが、最近は他のサーフスケートYOWなどを乗りすぎたせいか久々のカーバーCXトラックは正直つらいものがあった。
普段平地でしか乗らないから。。と言い訳する始末なのだ。
YOWの感覚が染みつき過ぎてCXトラックは頑張ってもなかなか動いてくれない。
カーバーのCXを動かすには初速がかなり重要になる。YOWだと軽くひと押しでいいのに比べると、カーバーのCXは慣れない人にはとてもハードルが高い。
CXにはプッシュがとても重要なのだ。(あくまで平地の話)
プッシュはスケートボードの基本中の基本スキル。
ちなみに、嫌でもプッシュのスキルがアップするのがロングスケートボード。サーフスケートに合せてロンスケも楽しむと倍楽しくなる。
ロンスケはこちらのリンクから記事をチェックしてみよう↓
さぁ今回のカスタマイズでどうなったか。
結論を先にいうと、今回のカスタムCXは初めての人でも乗りこなせるサーフスケートに変わるのだ。
さらに詳しく見ていこう。
カーバーをカスタマイズ どんなパーツを交換したのか
今回はCARVER FISHBEARDをレビューするとともに、パーツ交換でどう変わるかを中心とした記事になっている。
- ウィール
- ブッシュ
ウィールはCARVER FISHBEARDのコンプリート標準のものから硬度をアップ、直径も若干サイズアップしてみた。
交換後のウィールメーカーはカーバーのラウンドハウス マグエコタンタイプ。グリーンカラーのものだ。サイズは直径が70mm、硬さを81A。
- 69mm→70mm
- 78A→81A
ウィールを大径にする意味とは
この変更の狙いの一つとして、ウィールの径を大きくすることで転がりやすさをアップさせることだ。
平地などのスピードがつきにくい場所や、荒れた路面上では大径のウィールは効果的だ。小石や段差も乗り越えやすくなる。
標準のウィールはコンケーブタイプなので路面へのキャッチが強く、安定感には寄与するが動かしやすさにはマイナスポイントとなる。
標準ウィールとCXのトラックとの組み合わせでは、パンピングだけではスピードアップはとても大変なのだ。とにかくプッシュが必要。(あくまで平地の場合)
今回は1mmほどの径のアップでありさほどの変化は期待できない。1mm程度ではウィールバイトも起こるには程遠い。
ウィールバイトはウィールとデッキ裏側が擦れて、その摩擦でボードが急ブレーキが掛かったようなことになり、転倒する場合もある。
デッキ裏側の塗装がはげることもある。
上画像の通りエコタンの経はアップしたが、ウィールの幅は数ミリ狭くなった。
ウィールの硬度をアップする意味とは
柔らかいウィールは路面とウィールの接地面が広くなる。接地面積が増えると安定感が増し、路面へ粘り強く吸い付つくことで滑りにくくなる。
逆に硬いウィールは接地面積が減り、ウィールと地面との摩擦も減ることで滑りやすくなる。
言い換えるとボードをスライドしやすくなるのだ。
ベアリングはもともとのものを流用しようかとも思ったが、カーバー純正のベアリングを新たにワンセット用意した。
最初はスケボー用のベアリングに変えようとも思ったが、乗り味の比較としてカーバー純正に合わせることでの比較という目的を優先した。
ちなみにカーバー純正のベアリングはスペーサーがいらないタイプ。片側が少し長く出っ張っていて2つのベアリングで挟み込むと隙間がなくなる。
そして両面シールドタイプだ。
交換作業はとても簡単。
ブッシュを交換
ブッシュはCXのカーバー標準タイプからLoaded Carver Bolsaに採用されているオランガタンのブッシュに変更した。
Loaded(ローデッド)仕様のカーバーを知らない人のために少し触れておこう。Loaded Boarsdsはロングスケートボードのメーカー。カーバーと同じくカリフォルニアにある。
Loadedからもサーフスケートに近い仕様のロングスケボーは以前から発売されていたが、これまで普通のロングスケボーがメインのメーカーだった。
そして昨年、ご近所さんのご縁なのかカーバーのトラックを採用したLoaded Carverが発売されたのだ。トラックはC7仕様とCX仕様の2種類が発売。
そして、Loaded Carver Bolsaにはカーバー標準のブッシュではなく、オランガタン Orangatangのブッシュが採用されている。
Orangatang Knucklesとしてパーツとして販売されている。
タイプは2種類。
オレンジ 87A
パープル 90A
どちらかの硬度のブッシュを選んで購入することになる。
ちなみにブッシュやウィールなどはゴムの製品で、硬さの規格というのが存在する。
70A~90Aのような範囲で硬さを表示し、数字が大きいほど硬いことを意味する。
Orangatang Knucklesのパッケージには前後トラック2セット分のブッシュと、カップリングも2セットが入っている。
パッケージ内の下側のカップリングはちょうどいいサイズ感なのだが、上側のナットで締める側はでかすぎて装着するとブサイクなのでカーバーのものを使用することにした。
CXトラックのカーバー純正のブッシュはかなり硬い。
今回のカスタマイズの目的はかなり動きやすいCXトラックにすることなので迷わずオレンジタイプの87Aを採用した。柔らかい方だ。
交換はとても簡単。強いて注意するポイントとしては、交換中のナットを紛失しないことと、CXトラックのピボット部分を汚してしまわないこと。
グリスがたっぷり塗り込まれているので、ほこりや砂などに注意しよう。
ノーマル仕様のカーバーFISHBEARDをレビュー
最近のサーフスケートの中で、カーバーCXトラックはかなり乗りにくく感じた。
トラックに安定感がありすぎてクルーザーかと思う直進性だ。
誤解を回避するために書いておくと、今回は平地での使用を前提なので、これがパークなどではCXトラックは本領発揮となるはず。
CXトラックはハイパフォーマンスタイプなのだ。
FISHBEARDのサイズ感もカーバーの王道のデッキサイズ。カーバーとしては長すぎもせず短過ぎでもない。
FISHBEARDのCXトラックはやはり他のサーフスケートに比べてみると、デッキサイズが短いのに回転しないし、これよりデッキサイズが長いとおそらく長すぎ感がしてしまうはずだ。
CXトラックの特徴とコンケーブタイプのウィールの特徴が相まって本当にロンスケ並みの安定側の動きだ。
使う場所と使い方を選ぶカーバー。今やCXは上級者向けのトラックと言える。
スピードが前提で実力を発揮するトラックがCX。
カスタム仕様のカーバーFISHBEARDをレビュー
ノーマルカーバーでは、かなり上半身の動作を大きく動かすか、プッシュでスピードを求められるフィーリングだった(平地使用)。
ブッシュとウィールを交換して果たしてどうなったか。
ここまで変わるのか!?
正直なところ、変わることを期待しつつ、相変わらずで終わるかも知れないとの不安もあった。
乗り味は激変。YOWほどのトラックとまではいかないが、CXの延長線上にYOWがあるとすれば間違いなく半分よりも越えたラインまで近づいている。
個人の感覚もあるが70%〜80%でYOWのトラックに近い動かしやすさに変化した。
そしてYOWのMERAKIよりもナチュラルなトラックの動き。MERAKIはバネの力で返ってくる(戻ってくる)ので極端な挙動をするケースがある。
これなら平地でも楽しめるCXトラックのカーバーに生まれ変わった。
81Aの硬度のウィールは地面へのへばりつき感も緩和され、今回のカーバーのウィールは個人的にはYOWのCINETICウィールの80Aよりもいい感触を得た。とてもよくスライドする。
他のサーフスケートのウィールに比べて、やはりカーバーのものはできがいい。
トラックの剛性感からくる安心感が全然違う。乗り味も、ウィールの着地感も弾む感覚が違う。変な振動がない、しまったいい音がするのだ。
何より、CXトラックが単純なパーツで組まれていることによる剛性感が、柔らかいブッシュの上でもなお存在している。これは素晴らしくいい印象。
何より、ブッシュの締付けを調整すると好みのトラックの硬さを得る自由度があるということ。MERAKIではこれはできない。
このCXトラックのセッティングのカーバーは人気が出るはずだ。
初心者~上級者までオールラウンドに対応するカーバー。
そしてカーバーがとてもはかどるのがロンスケと交互に乗ること。ロンスケはサーフスケートとは動かし方が異なる。
ロンスケからサーフスケートに乗り換えた瞬間の開放感はとにかく気持ちがいい。
ロンスケはプッシュが基本のスキル、カーバーCXのレベルもアップする比較記事はこちらから
まとめ カーバーCXの新しい方向性はこれだ
カーバーを含めてサーフスケートのパーツを変えてみるのは正解だ。
ただし、目的をもってカスタマイズさせることが重要。
何でもかんでも適当なパーツに変えてしまうのはおすすめしない。
使う用途に合わせて、パーツをすぐに戻して、場面毎に合わせた使い方ができるようなカスタマイズをおすすめする。
完璧なチューニングをした『どこでも使えるカーバー』ではなく、場面に応じたセッティングに交換するカーバーを作り上げるイメージだ。
今回ウィールの大きさとしては標準タイプからほぼ同サイズへの交換であったが、カーバーCXトラックなのでもうワンサイズは大きいものへ交換も可能と思われる。
むやみに変える意味はないが75mmへ変えるのもありだ。。と思ったがオランガタンのブッシュでは柔らかすぎて無理があるように思われる。
その場合、標準の硬いブッシュに戻す必要がある。
さらにライザーパッドも交換して80mmのウィールにするとクルーザー的な感覚で使ってみるのも面白いかも知れない。。とも思った。(デッキが短い上に地上高は上がるのでしんどいか…)
Loaded BoardsのCarver Bolsaも本記事のカーバーとよく似た構成にはなるが、大きく異なるのはカーバーのラウンドハウスウィールを使用していること。
カーバーのウィールはオフセット幅が少ない。CXトラックで使った感触としては地面に落とすとボードがシンプルにバウンドする。
CXトラックは2軸ではないのでしっかりとした剛性感がある。
単純なトラックの仕組みとウィールの硬さが生み出すこのしっかり感、地面に落としたときの高いとんとんとんという音、この感覚が気持ちいいのだ。(あくまで個人的な感想)
LovesurfsketeのSteiveさんもおすすめウィールとしてSESIMICやカーバーラウンドハウスを推している。
もう一つCarver Bolsaとの異なる点は、Carver Bolsaはフロントトラック側のブッシュがオレンジ(87A)、リア側のブッシュがパープル(90A)ということ。
これは使用する人の体重や好みでも左右されるが、リア側も87A程度の柔らかいブッシュでないと今回のフィーリングは得られない。(と思われる)
カーバーC7を選ばずともCXでこれだけ動きのいいカーバーはとても新鮮だ。
比較動画を作成したのでチェックしてみよう。↓
他のサーフスケートに比べてカーバーCXの利点は何よりトラックの構造がシンプルで軽い。
このカスタムCXトラックのカーバーはダントツ軽いサーフスケートなのだ。
そして、トラックが柔らかくなったことでプッシュの量が確実に減った。CXなのにプッシュがこんなになしでいい!もちろんプッシュした方がもっと乗りやすい。
かなり新鮮味があるカーバーを試してみる価値はありだ。カーバーが次に向かう先がこれかも知れない。もうC7のカーバーはいらないかもね。
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