バランスボードの効果を検証 体幹を鍛えて高齢者の足腰のトレーニングにも
この記事ではバランスボードの効果についての研究結果を元に、効果の確かさを検証していく内容となっている。
バランスボードを使うことでエネルギー消費に貢献するのか?という研究がアメリカのアイダホ大学で行われた。
そういった研究結果などを中心にバランスボードを使った運動についての効果を考え、使い方を紹介していくのがこの記事。
バランスボードの何が一体おすすめなのか。バランスボードには大きく分けると2つのタイプがあって、ローラータイプと円形タイプ、
どれがおすすめなのか、その答えはここにあるので読んでみよう。
そして、後半にバランスボードの奥の深さ、スポーツとしての一面もトレーニングの魅力、モチベーションになる点にも触れておこう。
マスターしたらそれなりにすごいことができるバランスボード。
バランスボードとは
バランスボードとは、不安定なボードの上に立ち、ボードを地面と平行に維持しようとする体の動きで体幹を鍛えることができるトレーニングギア。
ボードと地面の間にはピンポイントの接点、またはローラーを介した面のみで地面に接する。。
と、言葉で表すとなんだか大層な感じはするが、実物を見ればそれがなんだか知らなくとも名前と、使い方の想像ができるようなものでもある。
バランスボードは街の中のお店などではなかなか見かけることは少ないが、ネット通販などではちょっと検索したらすぐに見つかる。
値段も安いものから高いものまでいろいろなものが見つかるけど何がどう違うのかな?
こういうトレーニンググッズにありがちな話として、最初は効果を期待して買ったもののすぐに使わなくなるというものがある。
バランスボールだって部屋の中で結構邪魔だからとしぼませてどこかクローゼットの奥に眠らせている人も多いはず。
このバランスボードもその二の舞いになるのか?
使い方も外から見た通りで、誰もがイメージしやすいわかりやすいトレーニンググッズがバランスボード。
一見簡単そうでいて実は難しそう。。
部屋のちょっとした荷物を片付けたら、そこはバランスボードを置く場所かも。
気になるあなたはこの記事をチェックして衝動買いまで一直線で行こう。
どのタイプのバランスボードがおすすめか
バランスボードにはいくつかタイプがあり、今回は2つのタイプのバランスボードについて詳しく見ていこう。
1つ目はボードとローラーをワンセットにして使うタイプ。
このタイプは1つの軸により左右への動きでトレーニングができるタイプ。
2つ目はボードのみで使える円形タイプ。
小型でかつ地面との接点がピンポイントになっている。前後左右に自由に揺れるのが特徴。
それぞれには特徴があり好みに合わせて選ぶのが正解。
高齢者におすすめは円形タイプ
ボードの動きがボードの傾き分に限定的なので万人におすすめできるのが円形タイプのバランスボード。
高齢者のトレーニングにはこちらがおすすめ。
ボードが360度の自由な方向に傾く。
ボードがセンターで維持できるように前後左右に態勢を維持しなければならない。
傾いた範囲にしか倒れる恐れがないので恐怖心や転倒の危険は比較的小さい。
とは言え足元がおぼつかないほどの身体能力の低下した高齢者には危険かも。
大学での研究の際にも左右に手すりがあるところで、前後のみの傾きのみに固定して使用される。
何より円形タイプのバランスボードは価格が安いので誰でもすぐに手軽に始めることができる。
安いものだと二千円くらいで手に入る。
使い方のバリエーションは次に紹介するボードタイプ(ローラータイプ)の方がバラエティが豊富だ。
足元が不安な高齢者にはシックスパッド・フットフィットのトレーニングがおすすめ。こちらのリンクから記事をチェック
ボードタイプ(ローラー)はボーダーの人にもおすすめ
ボードとローラーの組み合わせのタイプのものはサーフィン、スノーボード、スケートボードなどのバランススポーツのスキルアップには最適。
オフトレとしてインドア(家の中)でトレーニングができるのだ。
ボード自体の形状も様々で、スケボータイプ、サーフボードタイプなどがある。
バランスボードは探せば市場にはかなりの種類がある。迷ったらまずは手頃なものを購入して乗りこなせるまでやってみよう。
値段も相当バリエーションがあるので続かなそうな人は安めのものから試してみるのがおすすめ。
円形タイプに比べてもローラータイプはトレーニングのバリエーションはかなり豊富だ。
こんなのほんとにできるの?という様なスタイルでバランスボードを操るツワモノもいる。
ボードとローラーの組み合わせでバランスをコントロールするので、初めてやってみる人にとってはかなり難易度は高く感じるはず。
ローラータイプは左右の動きの自由度(動く幅)が大きい分、派手に転ぶこともありうる。
危険度は実際のボードスポーツと同等に高いので使用に際しては注意が必要。(使うバランスボードにもよる)
バランスボードを実際に使ってレビュー
ローラータイプのバランスボードを使ってレビューしてみる。ちなみに私はバランスボードを使うのは今回が初めて。
私がバランスボードを求めるきっかけになったのがスケートボード、サーフィンでのバランス力アップなのだ。
オフトレ用としてバランスボードを使ってみる。
バランスボードの見た目はまさにスケートボード。目を細めればサーフボードにさえ見えなくもない…、さすがに見えないか。
ボードのスポーツとは無縁の人よりかはバランス力はある方なのでいきなりバランスボードに立ってみようかと思ったが、やはり思い直して慎重にいくことにした。
バランス力アップを目指したはずが怪我をして遠回りしては意味がないからね。
バランスボード初心者の使い方の心得
バランスボード初心者の使い方として、最低限怪我を回避することが第一。
ソファに両手をついて乗るなど、いきなり何も支えもなしにやっては間違いなく転倒する。
まずはどこか壁や動かないテーブルなど手でつかめるものがあるすぐそばでやってみるのが無難。軽い食卓などは体重が掛かると簡単に動くのでおすすめできない。
何か支えがないのは補助輪なしにいきなり自転車で車道に飛び出そうとするのが危険な行為なのと同じ理屈なのだ。
バランスボード最初のステップ
まずは両手で体を支えることができる場所で始めよう。
片手では十分に安心できない、両手で均等に支えられるかどうかがポイント。
ローラータイプのバランスボードは左右に動く。片手だけでは片方にしか動きを止めることができない。両方向への支えが不可欠。
最初に経験すべきは、バランスボードの上に乗ることを長い時間すること。回数と時間を重ねることがマスターへの近道。
最初は乗っているだけで結構疲れてくる。特に足の裏の疲れが想定外かも。
慣れてくると足裏の痛みは無くなる。
腹筋や体幹トレーニングとしては両足をピンと伸ばした状態でバランスボードに乗ると負荷が強くなり効果的だ。
バランスボードの具体的な乗り方、使い方はこちらの記事をチェックしよう
安全にバランスボードをするには
バランスボードをする床は、やはり滑りにくい方が安全であり、クッションにもなるものをバランスボードの下に敷くのが安全で安心。
床がクッションのある状態の上でバランスボードができれば動きが吸収されブレーキがかかる。急激な動きが緩和されると派手に転倒する危険も減る。
支えはテーブルなどでも良い気がするが、テーブルをひっくり返す可能性は否めない。しっかりとした壁などを支えにしよう。
自宅だと廊下などがおすすめだ。
下画像のようなストッパーがあると激しく横方向に転倒することは避けることができる。
ちなみに裏側はこの様な感じだ。
バランスボードで体幹を鍛える
ローラータイプのバランスボードで体幹を鍛えるポイントを説明しておこう。
バランスボードにただ乗るだけでもそれなりに体幹は使う。
がっつり体幹を集中的に鍛えるにはコツがある。
それはひざを曲げないこと。
足をピンと伸ばしてバランスボードに乗るのだ。
ローラータイプのバランスボードは左右に振り子のように動かすことによる楽しさもあるが、それはあくまで楽しみ方の一つでもある。
トレーニング目的とした場合は、ひざを曲げないことにより、下半身の動きをへそあたりの腹部を中心にコントロールすることになる。
ひざを曲げることによる体の柔軟性を使えばバランスボードの姿勢を楽にコントロールができる。
地面にボードが接触してしまわないようにひざの伸縮で調整ことができる。
足をピンと伸ばすことで柔軟性が奪われることにより、腹筋を中心とした体幹に、より重きをおいたトレーニングをすることができる。
意外に腹筋も鍛えることができるのがバランスボード。
振動マシンはバランスボードに比べると楽にトレーニングできるから効果については
バランスボードはどんな効果が期待できるのか ダイエットには?
アメリカのアイダホ州モスコーにあるアイダホ大学運動生理学研究所によるバランスボードの効果に関する研究結果を紹介しよう。
研究の内容
健康な30人の成人に対し座ったまま、ただ立ったまま、バランスボードの上に乗ったままで事務作業(タイピング)をする場合でのエネルギー消費、心拍の変化、業務生産性、痛みなどを調査したもの。
そして調査の結果、結論部分は以下の引用の内容。
Compared with sitting, a balance board may be effective for increasing EE without interfering with productivity in an occupational setting.
日本語に訳すと以下の様な結果だと述べている。
「座っている状態と比較すると、職場環境でのバランスボードの使用は生産性を妨げることなくエネルギー消費に効果的である可能性があると言えるかもしれません。」
ただ座ることに比べて、立って作業をすること、バランスボードの上で作業をすることは業務の効率も良くエネルギー消費も高いという結果だったわけなのだ。
確かに座っているよりもバランスボードの上で立っているだけで体制維持するために体幹も使っているのでエネルギー消費は増えて当然に思える。
でも、生産性の低下を伴わない、つまり仕事の邪魔にならないのは意外な結果と感じる。
バランスボードは高齢者に効果あるのか
杏林大学の小栢 進也 教授等が発表した論文の引用がこちら。
『高齢者のWobble(ウォッブル)ボードを使ったバランストレーニングの効果について』という論文だ。
Wobble(ウォッブル)ボードというバランスボードを使った検証結果。一般的にWobbleボードは円形タイプのバランスボードであるが、今回の研究は高齢者向けであり、より安定性の高いものを使用している。
上画像の通り安全のため手すりも用意されている。
研究の内容
参加した対象者は老人ホームで暮らす23人の高齢者。
9週間にわたり、1週間に2度の頻度で、1回あたり約10分間のトレーニングを行った。
Our findings indicate that wobble board training is effective for elderly people to improve their postural balance, which involves maintaining a standing posture and adapting their center of gravity frequently on unstable surface conditions.
PMID: 21869636
DOI: 10.1519/JSC.0b013e31820019cf
上記は論文の結論部分の一部を引用した内容。
要約すると、「私達の研究の結果、ウォッブルボードトレーニングは高齢者の不安定な状況における姿勢維持に効果的であることが判明した」というもの。
安全面をしっかりとしたうえでバランスボードを行うことで高齢者にも有益との研究結果。
バランスボードはもはやスポーツ
動画をチェックしてみるとおわかりかと思うが、極めれば結構すごい技ができる。
私の場合バランスボードを購入してから動画に出会った。
こんなのできるんだ!すごいな
もっと早くバランスボードの動画に出会っていたら、もっと早くにバランスボードを入手していたはず。
正直、バランスボードの上に立ってそれで終わりかと思っていたが奥の深さに驚いた。
バランスボードはトレーニングの一つというより、一つの競技なのだ。
そしてこの動画のようにボードをスケボーのデッキタイプのものでチャレンジしたい。
上動画はRevbalanceのバランスボード公式サイト
まとめ バランスボードは結構楽しい
バランスボードは高齢者の足腰のトレーニングに効果があるのは様々な研究で裏付けされている。
それだけではなく、新たなスポーツ的な要素を持った使い方まで幅広く楽しむことができる。
そして値段もお手頃、故障などするような電子機器でもない。
もっと注目されても良さそうに思える。。
もしかすると、まもなくその波はやってくる可能性だってあり得る。
老いも若きも目的は違っても同じバランスボードでトレーニングや技を磨くなど有効に使いこなしてみよう。
★高齢者のトレーニングには
円形タイプのバランスボード
★ボードスポーツ、スケボーにおすすめは
ローラータイプのバランスボード
まずはお求めやすい価格のものを手に入れてみよう。
少し乗れるだけでかなりモチベーションは上がるのがバランスボード。
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