WF-1000XM4をレビュー 最高の音質の上限はイコライザーで突き抜ける
この記事は、誰もがその音の良さを知るWF-1000XM4のさらに上をいくためのイコライザー設定を紹介するもの。
WF-1000XM4はSONYのノイズキャンセリングで完全ワイヤレスイヤホンでは最高の機種。
長年このシリーズのユーザーなら買うまでもないくらいにわかる音の良さ。
ニューモデルの後継機XM5の登場となる今もなお、おすすめできるのはXM4もXM5も価格差程の音の違いがないから。
XM5の記事はこちらから↓
オーディオマニアでない人なら、壊れない限り、このイヤホン一つ使い続けるだけでずっと満足。一生ものだ。
そんな、勢いで買っても間違いない、素晴らしい音が約束されているこのWF-1000XM4。
イコライザーを自由に使えたらその上限がさらに突き破れるとしたらどうだろう。
空の上にはもっと高い空があった。
WF-1000XM4を使ってみた、そんな体験をこの記事であなたに感じてもらおう。
WF-1000XM4の楽しみ方 イコライザー設定はこの順番で楽しもう
上画像はWF-1000XM4の楽しみ方の流れを簡単に表したもの。
まずは「標準アプリ」でイコライザーを楽しんでみよう。この場合プレイヤーアプリは何でもOK。
さらに物足りないあなたには2つのアプローチを用意した。
この記事では誰でも簡単にイコライザー設定できるやり方(上図の右下側)を紹介している。
この記事の前半にイコライザーを使った音に関するレビュー。
後半では製品全般のレビュー、BOSEとの比較、イコライザーを深堀となっている。
- 前半 イコライザー設定
- 後半 レビュー、BOSEと比較、イコライザーの深堀
さらにWF-1000XM4向けのイコライザー設定6選も用意している(上の図の左下)。こちらのリンクから
WF-1000XM4の音がいいのは当たり前だ
満を持して登場したWF-1000XM4。ベストセラー機XM3の後継機。
否応なくハードルは高くならざるを得ないWF-1000XM4だが、軽く前機XM3を超えてきた。
そして前機WF-1000XM3ではデリケートな雰囲気を持っていた通信品質に関しても安定感は増している。
通信品質は使用するスマホや音楽再生プレイヤーやスマホの性能にも左右されるが、WF-1000XM4はターミナル駅など人混みでの不安定さは微塵も感じさせない。
WF-1000XM4の装着感は前機とは雲泥の差
このコンパクトさでこの音を作れるのはソニーだけ。
ANC、LDAC、360Realityやらまで機能てんこ盛りは他社じゃ真似できないレベルのWF-1000XM4。
イヤピースはサイズ感が合えば快適で遮音性も高い。バッズ自体の耳からはみ出ない大きさが、やはり着け心地がいい。
そして耳からはみ出さない新しいSONYはその特徴的なシックなブラックにゴールドのアクセントがあるデザインは見る人にはすぐにわかる存在。
ケース側までしっかり設計されており、フタを閉じたときのパチンという音と感触まで心地よい。
高級な車に乗ったような上品な雰囲気が音声による操作アナウンス一つにも感じさせてくれる。
fa-arrow-circle-rightまだお持ちでないあなたは
SONY LinkBudsのレビュー記事はこちら。オールマイティがいいところ。
標準アプリのイコライザーでまずはWF-1000XM4の実力チェック
WF-1000XM4とスマートフォン。この2つで役者は揃った。そしてソニー専用のHEADPHONESアプリ。この組み合わせでどれだけ高音質が引き出せるのか。
HEADPHONESアプリには、プリセットの設定と、5バンドのイコライザーと、低音を変化させるClearBassがある。
チェックしてみると、そつなく期待を上回る音を聴かせてくれる。
が、しかし、やはりここまでか、、といったところを感じた。(イヤホン自体の実力が高いので決して悪い音ではない)
標準アプリでプリセットイコライザーを詳しくチェック
Bright(ブライト)
中高音を中心にクリアな軽めのサウンドを聴かせてくれる。低音は控え目。
一言で表すと気持ちのいい音。
Excited(エキサイテッド)
全体的にフラットでやや高音側と最も低音側のバスドラ、ベースを印象づけたサウンド。ドラムとベースの存在しない楽曲にはオススメしない。
派手な曲はさらにその勢いをアップさせる。
Mellow(メロー)
長時間聴いても聴き疲れしないように高音をカットして、低音の騒がしさもカットしたサウンド。
優しさを感じたい曲には、おすすめの落ち着いた音。
Manual(マニュアル)
マニュアルでイコライザーを設定したものをCustom設定で登録が可能だ。
ただ、この標準イコライザーは設定が少なすぎて物足りない感は否めない。
他にもRelaxed、Vocal、TrebleBoost、BassBoostなどのプリセット設定が用意されている。
正直なところWF-1000XM4はイヤホンそのものの潜在能力は計り知れないが標準イコライザーでは活かしきれていない。
さぁ、そろそろ例のアプリを登場させよう。どこまでWF-1000XM4が化けるのか見ていこう。
注意 標準イコライザーは一旦終了しておこう
ここで一つ注意点がある。
標準イコライザーでBright(ブライト)などの設定をしたままで放置していないだろうか。
必ずHEADPHONESアプリ自体を終了しておこう。(裏で開いたままになっているケースがある)
念のためには、標準アプリのイコライザー設定をフラットの状態(何も設定していない状態)にしておこう。
fa-arrow-circle-right評判はどうなの?
WF-1000XM4✕Jetaudioのイコライザーは最高の上限を突き抜ける
Jetaudio(ジェットオーディオ)アプリのイコライザーの出番。ここからがメインコンテンツだ。
ボーズのノイキャン機、BOSE QUIET COMFORT EARBUDSで最高の音を聴かせてくれたイコライザーセッティングでWF-1000XM4を使って検証してみた。
設定は音質優先、LDACにして音源はFLAC。
ジャンルはロックで視聴してみたWF-1000XM4のレビューがこちら。
★高音 刺さるレベルまでの高い音を拾ってくれる。エッジ感がある。
★中音 豊かな味わい深く、潤いのある嬉しくなる音が溢れる
★低音 低音寄りのイヤホンと名打ってもいい耳の中を揺さぶる響き
全般的に解像度は高く分離感も十分。
何よりも情報量の多さに圧倒されてしまう。目の前に山程プレゼントを突き出されてどれを手にとっていいやら困るような感覚に近い。
派手目な曲だと聴き疲れ感も否めないところはある。一方で音場の広がりや深さは控え目。
WF-1000XM4向けおすすめイコライザー Jetaudioのセッティングはこれだ
Jetaudioはイコライザー機能が秀逸のスマホアプリ。無料なので誰でも簡単に手に入る。
このアプリの特徴はイコライザー機能がてんこ盛りと言うこと。
Jetaudioは直感的に音を変化させることも、細かくセッティングすることもどちらもできるイコライザー重視のスマートフォン向けの音楽再生アプリ。
やはり何より、誰もが簡単に音をシミュレートできるのが売り。
よくあるスマホアプリでイコライザーのスライダーだけあっても、何がいい音の設定か普通の人がチューニングなんてできない。
WF-1000XM4など高性能なイヤホンでしか設定できないおすすめのイコライザーセッティングはこちら。
(イヤホンの素の性能が高くないと音が雑音のように破綻するため)
★標準イコライザー OFF
★標準ジェットオーディオ音場効果 OFF
★AM3Dオーディオエンハンサー ON
・ジャンル設定 ロック
・Z-Bass ON、数値は86
・Z-Treble ON、数値は75
・Z-Surround OFF
・Z-Boost OFF
★Crystalizer ON 数値はセンター
※女性ボーカルなど高音が刺さる場合はZ-Trebleの数値を60以下に下げよう。
ちなみにAM3DオーディオエンハンサーとCrystalizerは有料のオプション。
いずれもたったの数百円。安いのでこの際購入してしまおう。(お試し利用すれば良さはすぐわかるはず)
今回はBOSE QCでベストなセッティングをそのまま持ってきて試聴したので、さらにWF-1000XM4の能力を引き出せる設定を今後試行錯誤していく予定。おすすめが見つかれば改めて更新していく。
簡単に各機能の特徴に触れておくと、下画像のジャンル設定で音を変化させることができる。
★標準イコライザー
スライダーを10バンドと20バンドに変更が可能。(Jetaudioプラス)プリセットジャンル設定も32セットから選べる。カスタムも登録可。
★標準ジェットオーディオ音場効果
下画像の左側だ。こちらは標準の機能。
X-Bass、X-Wide、音場(ホール、スタジアム・・・)などのボリュームボタン。
ライブ感をアップさせるにはX-Wideと音場設定をお好みに変えてみよう。
★AM3Dオーディオエンハンサー
上画像の左側。Z-Bass、Z-Treble、Z-Surround、Z-Boostの機能がある。
ライブ感をアップさせたい人はZ-SurroundをONにしてみよう。
こちらは有料機能だが、標準よりもおすすめだ。
利用する場合のポイントは、標準機能とこのAM3Dオーディオエンハンサーは排他的に使用するようにしよう。
同時に利用もできるが、音が劣化してしまう恐れがある。
★Crystalizer
Crystalizer、Crystalizer+、Crystalizer HX、Crystalizer HX+の各設定がある。
ボリュームボタンでエフェクトの掛かり具合を調整できる。
高音側のエフェクト専用の機能だ。
AM3Dオーディオエンハンサーと共に有料機能。おすすめだ。
Jetaudioアプリの詳しい情報はこちらの記事からチェックしてみよう。
WF-1000XM4の値段はコスパが良すぎ この音でこの値段
自他ともに認める品質の前機種WF-1000XM3はメーカーにとっても自信の製品だった。
売れ行きにおいても実績が示す通り高性能、高音質が実証された。
だがWF-1000XM3はハイレゾ機ではなかった。。
WF-1000XM4は前機よりもかなり高価になると予想していた。
なぜならWF-1000XM4はハイレゾ機で、LDAC対応やら機能盛りだくさんという点で。
それ以前に、注目のベストセラー機WF-1000XM3の後継機種だから、さらに音がいいなら少々高くてもユーザー買うはずとメーカーも見越すことはできる。
そういうことで、WF-1000XM4は当然に高価になるものと思っていた。
高音質オーディオはマニア向けの趣味となりつつあり、高額なものでも売れる実態があるからね。
さて、なぜコスパがいいかと言うと、このWF-1000XM4を一度買うと壊れない限り5年程度使っても見劣りはしないはず。
ほとんどの人の耳にこのWF-1000XM4の音は満足するものだ。おそらく5年経った時点でも。(マニアは別として)
特に通勤、通学する人にとってはイヤホンは毎日のように使う。
年間300日で5年間使うと1日あたりたったの20円で済む。3年間使う場合は1日33円。
上記試算は3万円で入手の場合なので、もし2万円程度で入手できるならさらにコスパが高い。
このことは次に新しくWF-1000XM5が出たときも同じなので、飛びついても後悔はない。
見た目がいいと長く愛用できるWF-1000XM4
最後にWF-1000XM4の見た目だ。
WF-1000XM4登場以降たくさんの新型ワイヤレスイヤホンが登場してきた。
WF-1000XM4以上にセンスのいい製品はどれだけ出たであろうか?
白色で素っ気ない、前モデルと全く変わらない、、手触り感が普通、、こんなデザインであなたは納得できるのだろうか。
私がレビューを選ぶ基準に製品の持つセンスの良さにかなりのウェイトをおいている。
ダサいものはそれだけで満足に値しないのだ。
WF-1000XM4のデザインは、所有していて、装着していて恥ずかしくないワイヤレスイヤホン。
予算によってはこちらもいいかもLinkbuds Sとは
ノーマルの音質ではWF-1000XM4にはかなわないものの、柔らかいデザイン、サイズ感、金額はあなたの好みかも。
イコライザーの設定次第で候補になる。
360Reality Audioは新しい音楽体験
オマケっぽくなったが、360 Reality Audioという機能がある。対応するアプリ、音源を使うことで楽しむことができる。
確かに機能は素晴らしくて、聴き心地も素晴らしく評価できる。
ただ、音楽を聴くという点においては頭上後方から鳴る楽器には違和感は否めない。。
新しい音の体験と言う考え方では素晴らしいもの。ARなどの分野では今後欠かせない技術になる。
360 Reality Audioはコンテンツ次第だ。
fa-arrow-circle-right買うか迷っているあなたは
WH-1000XM5も気になるあなたはこちら↓から
WF-1000XM4で徹底的にイコライザーを極めたい人へ
イコライザーで自由自在に音をコントロールしたい人は上画像のシートを参考にJetaudioのイコライザーのスライダーで調整してみよう。
シートのPDFはこちらのリンクから入手できる。SWEETWATERのHPへ
このシートの詳しい説明までは割愛するが、使い方のポイントのみざっくりと簡単に説明しておこう。
(少々難しいので、今回はあくまで参考まで)
- 縦軸が主な楽器の名称
- 横軸が周波数 低音(20Hz)から高音(20KHz)
★調整のやり方
- イコライザーで音を調整したい楽器に着目し横軸を見ていく。
- 同じ楽器でも音の成分の分布が周波数の異なるところ(3~4か所)に分かれている。どの部分をイコライザーで変化させるかをシートで周波数を確認。
- 該当する周波数のイコライザーのスライダーでアップさせるかダウンさせるかで音を変化させる。
ポイント
下記のことを頭の片隅に置きながらイコライザーをいろいろいじってみよう。
- 調整したい同じ周波数帯にいくつか異なる楽器の音が存在する場合、その周波数をイコライザーで変化させると複数の楽器の音も同時に変化する(してしまう)。
- ある楽器の音を強調したい時、その音が幅広く周波数が分布する場合はイコライザーも分布に合わせ広く変化させる。
- ある楽器の音を局所的に強調したい時、その音が狭い周波数に分布する場合はイコライザーをピンポイントに変化させる。
イコライザーで音を変化させるときの方法には2つある。
- 強調させたい周波数のスライダーをアップさせる(ブーストと言う)
- 強調させたい周波数以外のスライダーをダウンさせる(カットと言う)
ブーストさせるよりもカットしてマスターボリュームをアップさせる方が音が破綻しにくいので、こちらを推奨。
イコライザーは触りだすと結構奥が深いので結局何がいいのかわからなくなることがよくある。
そんな時はプリセットのイコライザーセッティングに頼るのが一番。プリセットをベースにして変化させる。
イコライザーを応用させる「ファンダメンタルズ」、「ハーモニクス」などについて知りたい人はこちら↓の記事へ
fa-arrow-circle-up音を詳しく知りたいなら
WF-1000XM4とBOSE QUIET COMFORT EARBUDSと音を比較
WF-1000XM4と比較して次のポイントがBOSE QCの方が好印象に感じた。
★低音の迫力
★ノイズキャンセリングの強さ
低音の迫力はやはりBOSEのブランドイメージでもあり、得意とするところだけあって流石と言いたい。死守している。
ソニーWF-1000XM4は残念ながら低音はBOSEを超えることができなかった。
聴き比べるとはっきりと違いはわかる。バスドラムの響きは、まるで体全身で音を受け止めたように沈み込む様な音圧の存在を感じる。
やはりBOSE QCはイヤホン本体の大きさによるメリットが大きい。
イヤピースの遮音性の高さも貢献している。柔らかいゴム製のイヤーピースの耳へのフィット感はWF-1000XM4のイヤーピースよりも自然で心地いい。夏場は特におすすめ。
他にWF-1000XM4との比較ではBOSE QCは、
→音場は若干広い
→低音を除くと全般的にナチュラル
ノイズキャンセリングの性能をそれぞれで表現してみると下のような感じ。
★WF-1000XM4 無
★BOSE QC 消音〜
ちょっとわかりにくいので補足すると、BOSEQCは耳には聞こえないノイズの打ち消し音が大音量で溢れるような感じがする。
BOSEサウンドを経験したことのない人には、BOSE QCの一聴の価値は、WF-1000XM4登場後も十分にあり。
新型BOSE QUIET COMFORT EARBUDSⅡとはどう違うか
BOSE QUIET COMFORT EARBUDSⅡが登場した。二代目だ。
旧型との違いで、音の傾向としてはそれほど大幅には変わらない。低音とノイズキャンセリングは同じように優秀だ。
BOSE QUIET COMFORT EARBUDSⅡの今回の特筆すべきポイントは、音とは無関係だが、バッズ本体の小型化だ。
2つのBOSE QCのレビュー記事はこちらからチェックしてみよう。イコライザー設定もあり。
まとめ WF-1000XM4はまだまだベストセラー
WF-1000XM4は日本人の好みをよく理解した製品。品質にはかなり神経質にこだわったように感じられる。
見た目も触れた感触も好感の持てるもの。
パッケージも必要最小限なものにし、環境への優しさも感じられるものとなっている。
この先も最も売れるフルワイヤレスのノイズキャンセリングイヤホンになることは確実だ。
次のWF-1000XM5が登場する迄の間はね。
誰が買っても間違いなく確実に高音質が得られるイヤホンがWF-1000XM4。
どんな音かもわからない、ハズレかもわからないマイナーな機種に高額を出す?
屋外での静寂性ではヘッドホンのXM5(上画像)よりもイヤホンのXM4の方が高いと感じるのは私だけではないはず。
イコライザーの自由度では圧倒的にヘッドホンのXM5が恐ろしく上回る。
WF-1000XM4の売り上げ上位が続くのは、やはり確かな音である証なのだ。
WF-1000XM4向けのおすすめイコライザー設定6選の記事をアップ↓
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